2023.05
個人事業主と法人設立(法人成)の分岐点
分 岐 点
個人事業主から法人設立(法人成)への分岐点は、個人事業主として年間600万円から700万円くらいの利益を安定して出せるようになった時だと思います。ただし、これは税金面を重視してのことです。法人設立(法人成)にはメリットだけでなく、デメリットもありますので、総合的に考える必要はあります。
具 体 例
例えば、個人事業主として年間の利益が700万円だったとします。また、法人を設立するにあたって代表取締役としての報酬を月50万円とします。
この場合、個人事業主であれば、税金の対象が700万円となり、所得税額は、7,000,000円×23%-636,000円=974,000円となります。
一方、法人を設立した場合、年間の利益700万円から給料として50万円×12ヶ月=600万円が経費になりますので、税金の対象が100万円になります。(社会保険料等の負担を考慮するともっと減少します。)ですので、給料として600万円に所得税が課税されますので、
6,000,000円-(6,000,000円×20%+440,000円)=4,360,000円
⇒給与所得控除 4,360,000円×20%-427,500円=444,500円(所得税)
また、法人税額は、1,000,000円×30%(おおよその法人税等の税率です。)=300,000円となります。
したがって、法人設立した場合の法人税額等及び所得税額の合計額は744,500円となり、個人事業主である場合よりも税額負担は減少します。
ま と め
実際の税金等を計算する場合は、社会保険料や国民健康保険・国民年金等、考慮すべき項目は様々ありますが、おおよその目安にはなると思いますので、個人事業主から法人設立を検討する際には参考にして頂ければと思います。